ご挨拶

 この度,第42 回日本口蓋裂学会総会・学術集会を平成30 年(2018 年)5 月24 日(木)〜25 日(金)の2日間に大阪市中之島の大阪市中央公会堂で開催させていただきます。今回の学会開催テーマを「多職種の総力を挙げて —より良い治療を目標に—」と致しました。文字通り,本学会にて,多職種から成る会員の総力を以て,口唇裂・口蓋裂のためのより良い治療を行うための検討と情報交換を行い,社会貢献が出来ることを心より願っております。

本学会は,口蓋裂の名称を冠していますが,対象はさらに広く口唇裂・口蓋裂をはじめ小耳症その他の頭蓋顎顔面領域の種々の先天異常の治療を対象とし,これらを矯正歯科,口腔外科,形成外科,音声言語,耳鼻咽喉科,補綴歯科,小児歯科,その他の歯科,さらには社会福祉や看護等のそれぞれ異なった立場から治療を進め、学術的に検討しております。職種としても医師,歯科医師,言語聴覚士,さらにコメディカルといった多職種が一堂に会し,口唇裂・口蓋裂のより良い治療を進め,多職種間の連携を深め,社会福祉に貢献するという同じ目標に向かっております。本学会の第1 回は,1977(昭和52)年に開催され,以後,年1 回の学術集会が継続されてきました。近年では毎回700 名を越す会員の出席を得て,熱心な学術的検討がなされています。

今回の第42 回学術集会では、特別講演として台湾からPhilip Kuo-Ting Chen教授をお招きして口唇鼻形成術を、またスウェーデンからChristina Persson教授をお招きして口蓋裂言語と22q11.2についての世界レベルの優れた知見をご紹介していただきます。教育講演では、2018年4月1日から施行となった臨床研究法について国立がん研究センターの藤原康弘先生に分かりやすくご講演いただきます。3つのシンポジウムでは、矯正治療と外科的矯正術,顎裂手術と矯正治療、口蓋裂手術と音声言語といった職種間の共同目標をテーマに取り上げ、パネルディスカッションでは両側唇裂の治療をテーマとして大いにディスカッションいただける場といたしました。日本口蓋裂学会が口唇裂・口蓋裂認定師制度を進めることから資格認定申請での受講単位の取れる教育セミナーを設けました。さらに多領域の教育セミナーや学会説明会も企画し、皆様に他領域の知識を得る機会や学会活動のご理解に供しようと考えております。また、多数の一般演題や示説演題もご応募いただきました。ここに厚く御礼申し上げます。

本学会がご参加いただきます多くの皆様方に学術的検討や情報交換の場になりますよう鋭意準備を進めております。皆様方多数のご参加をお待ち致しております。

第42回日本口蓋裂学会総会・学術集会
会 長 楠本 健司
関西医科大学形成外科 教授